ディストリビュータの交換の実際


修理歴でも触れているようにデスビは過酷な状況(エンジン停止時は低温、エンジン回転中は超高温)
に置かれているので、思ったより影響が大きい。よって、10万キロ走行をこなした車両は交換を検討
すべきだと思う。デスビはASSYではなく、部品ごと単体でも購入できる(デスビカバーにも品番がある)
が、組み直してもまた悪くなる可能性があるので、ここは中古品でしのぎたいところ。

しかし、そのまま組んではいけない。ゴム部分は必ず交換。これはオイルの当たるところをばらす時の
鉄則。これをケチるとあとでまた同じ事をしなくてはならなくなる。

参考までに交換部品の品番を。(品番は平成12年2月現在。品番は代替になることあり。金額は税抜き。)

ディストリビュータ パッキン 19127-15021 150円

ディストリビュータ Oリング 96711-35030 80円

カムカバーガスケット(ヘッドカバーよりオイルが滲んでいるとき) 11213-11020 1460円

パッキンとOリングは安いものなので、必ず交換しましょう。

デスビをばらす時は、カバーを外すまでにすること。それ以上はばらすと不具合がでるので。
カバーを外したら、中をチェックして、カーボンだけは落としておこう。パッキンとOリングを組み付ける
ときはエンジンオイルをたっぷり塗ること。シール性が高まります。全て組み上げたら、カムに刺さる
所にエンジンオイルをたっぷり塗る。エンジン内に入れるわけですから当然。


エンジンへの組みつけは比較的簡単。(でもちょっと力仕事。)
まず、1番の上死点を合わせる。デスビを刺す穴から見てカムについている丸い穴が15時の位置に
来ればOK。ここでクランクシャフトを回すために運転席側アンダーカバーを外し、クランクシャフトプー
リーのセンターボルトを向かって右回りに回す。結構硬い(ピストン駆動するから当たり前)ので、19mm
のタイヤレンチ、トルクレンチなどでトルクを掛けて回す。しばらく硬いが、あるポイントで急に軽くなる。
圧縮が抜けるからであるが、怪我をしないように注意。
ここでデスビの取付部をハの字型に置き、デスビのシャフトの刻印と突起を合わせる。これをしないと
点火順がずれ、エンジンに火が入らないので要注意。(実は私も一回失敗。)

準備が出来たら、少し硬いがデスビをカムに挿入する。
Oリングが通過しにくいのでちょっと戸惑うが、カムカバーについている刻印とデスビケースの突起を
合わせれば、ほぼ点火時期も合うようになっている。出来ればタイミングライトを使ってしっかりあわせ
たいところ。合わせなくても、GPはEFIなので、緑のコネクタからわかるように電子制御されているので
多少のフェイルセーフは勝手にやってくれる。

あとは12mmのボルトでしっかり固定して配線を元通りにし、インタークーラーへの配管を元に戻す。


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